今回は、静岡県 伊豆の河津温泉にある「玉峰館 (GYOKUHOKAN)」の滞在レポートをお届けします。

今の宿泊者にとって一番良い温泉旅館とは?
今回紹介する「玉峰館」は、それを考えて設計されている旅館だと思いました。
館内の設備やインテリア、サービスが従来の温泉旅館より、宿泊者に寄り添って設計されています。
暖簾をくぐって始まる、新しい温泉旅館の体験記事です…!
おすすめポイント
・日常と非日常を隔てる庭園:☆☆☆☆☆
・内田繁氏設計のモダンインテリア:☆☆☆☆☆
・源泉かけ流しの客室露天風呂:☆☆☆☆☆
・3つの貸切風呂:☆☆☆☆
・洋食のエッセンスを取り入れた新日本料理:☆☆☆☆☆
・記念日旅行にオススメ
・河津桜の時期がベスト
静岡県:伊豆河津温泉にある老舗の温泉旅館
ロケーション&アクセス
「玉峰館」は、静岡県伊豆の河津温泉にあります。
河津桜で有名な河津川沿いにあり、海から少し山側に入ります。
伊豆急行線の「河津駅」から車で5分ほどで、宿泊者は14時以降であれば送迎サービスがあります。(要事前予約)
車だと新東名高速道路の「長泉沼津IC」から伊豆縦貫自動車道「月ヶ瀬IC」経由で約75分、もしくは海側の国道135号からも行くことができます。
東京方面からだと、特急踊り子号で東京駅や新宿駅から直接アクセスできるので鉄道利用が便利です。
なぜ、ここを選んだのか?
この宿は自分が選んだのではなく、自分の誕生日に奥さんがプレゼントとして連れて行ってくれました。
自分の誕生日には、たいてい物のプレゼントではなく、旅行のプレゼントをお願いしています。
コロナ禍ということもあり、近場が良いよねという理由とちょうど河津桜の季節なので伊豆に行こうとなり、選んでくれた宿が「玉峰館」でした。
– DAY 1 –
2:00 PM
河津桜を楽しみチェックインへ
暖簾をくぐり、庭を抜け
午前中から下田散歩と河津桜を楽しんだ2人は、河津駅からお願いしていた送迎車で「玉峰館」に向かいます。
途中、車の中から時折見える河津桜が綺麗です。
旅館に到着すると玄関の前ではなく、暖簾がかけてある素敵な門の前で車を降ります。
そして、この暖簾をくぐることから始まる演出が素敵でした…!
まさに暖簾をくぐることが、日常から非日常に切り替わることを意味しており、気持ちが切り替わります。
中に入ると、素敵な日本庭園が視界に広がります。
歩いて進んでいくと、池の奥には旅館の建物が見えてきます。
池に面してテラスも付いています。
庭を抜けると、旅館の玄関がようやくお出ましです。
その横には、温泉の煙突から水蒸気が出ており雰囲気抜群です。
自家製わらび餅をいただきながらチェックイン
建物内に入ると、シックで落ち着いたロビーが広がります。
「玉峰館」は大正15年に創業の老舗旅館ですが、2013年5月にリニューアルされており内装は和風モダンな造りです。
世界的なインテリアデザイナーの「内田繁」氏が作り上げた、”どこか懐かしく、新しい極上の空間”と記載がありますが、館内は老舗旅館とモダンのデザインが融合されていて素敵な空間です。
「内田繁」氏は、国内でも他のホテルや旅館のインテリアを手掛けています。玉峰館に泊まったことで、ぜひ違う宿にも泊まってみたいなと思いました。 内田デザイン研究所
チェックインの手続きは、ソファに座りながら行います。
その際に自家製のわらび餅とお茶をいただけるのですが、このわらび餅がぷるっぷるで美味しかったです。
色浴衣が選べます
お部屋に置いてある浴衣に加えて、女性は色浴衣が選ぶことができます。
2:15 PM
障子を開ければ、そこには温泉が…
モダンな家具と落ち着いた照明の和室
チェックインを済ませて、お部屋に向かいます。
お部屋は1階でしたので、ロビーからは直ぐに到着しました。
今回泊まったのは「露天風呂付客室」です。
中に入ると建物と同じく、木の家具と畳が調和した空間が広がります(客室も勿論、内田繁氏のデザインです)
和室ですがツインベッドが置かれています。
源泉かけ流しの露天風呂
そして障子を開けると、その先には源泉かけ流しの露天風呂が…。
しかも、かなり広々とした浴槽。
源泉かけ流しにいつでも入り放題…
贅沢ですね。
今回もプレゼントしてくれた奥さんに感謝です…!
木張りのスペースにはシャワーもついており、身体も洗えます。
間接照明の落ち着いた洗面スペース
外がバススペースになっているので、部屋内にはトイレと洗面スペースのみがあります。
間接照明で落ち着いた雰囲気です。
女性用のアメニティは箔一の金箔コスメティクス「KINKA」が用意されていました。
浴衣、源泉パック、お茶菓子、
お部屋には浴衣とパジャマが両方用意されています。
ちなみに浴衣は、お部屋に置いてあった方が好みだったようで、奥さんはそちらを着ていました。
お茶菓子の量が5種類と豊富です。
温泉の源泉で作る顔のパックです。
3:00 PM
隣の峰温泉大噴湯公園を散策
噴き上げを見に大噴湯公園へ
チェックイン時に周辺の案内をしていただき、旅館の隣に「峰温泉大噴湯公園」という温泉の噴き上げが楽しめる場所があるとの事で2人で向かってみます。
チェックイン時にちょっとした周辺の散歩情報を教えて貰えるのは、嬉しいサービスですよね。
温泉の噴き上げは、毎時30分に行われるので名物の温泉卵を食べながら暫し待ちます。
段々と人が多くなっていき、ついに噴き上げが始まります。
かなり上まで上がるので、近くにいると風で流された温泉がかかるので注意です…!
葉桜になり始めの河津桜
噴き上げを楽しんだ2人は、その足で河津川に河津桜を見に行きます。
訪れた時期は、少し咲き終わりの時期で葉桜になりかけでしたが、それでもピンクが濃い河津桜が綺麗でした。
4:15 PM
噴湯風呂「夕凪」へ
噴湯公園横の貸切風呂「夕凪」
「玉峰館」には、大浴場とは別で貸切風呂が3つあります。
どれも予約制になっており、15時〜22時、6時〜10時までの間で1回40分間で空いていれば何度でも利用可能です。
まずは、その中の1つ「夕凪」に入りに行きます。
ここは、先程見に行った噴湯公園の横にあり、湯船に浸かると湧き上がる水蒸気が見えます。
ちょうど午後の光が入り込み、綺麗です。
壁が木張りで、奥に見える提灯がポイントになっています。
湯上りお庭散歩
温泉でかなり身体が温まったので、湯冷ましに庭を散歩します。
建物の後ろからは、水蒸気が上がり浴衣が似合う素敵な庭です。
他の貸切風呂や大浴場は、庭に面しているので、ぜひ湯上りに散歩してみてください。
ちなみに、こうした池など回遊して楽しめる庭を「廻遊式庭園」と言うそうです。
5:30 PM
伊豆の旬の食材を「新日本料理」でいただける夕食
池と庭を眺めながらいただけるダイニング
温泉に入り、散歩をしたらお待ちかねの夕食の時間です。
ダイニング「旬彩 六感」に入ると、先程見てきた庭がガラス張りの壁から見渡せます。
ダイニング自体は、テーブルと椅子でどちかというと旅館よりもホテルのダイニングの雰囲気です。
1つ1つのテーブルは、離れているので気兼ねなくゆっくりと食事をいただけます。
新しい日本食「新日本料理」
料理もインテリアと同様に旅館=和食に囚われず、日本料理の伝統に洋食の調理法を取りいれた「新日本料理」をいただく事ができます。
玉峰館の料理は、伊豆の旬な食材を取り入れ、伝統と格式ある日本料理の味わいを継承しながら、現代的な洋の調理法を融合させた、創造性豊かな“新日本料理”の数々です。玉峰館らしい「伝統と革新」の味わいをご堪能ください。
(玉峰館ウェブサイトより)
コースの内容としては、先付、前菜、お椀、お造りと続き、メインの魚、肉料理は6品の中から2品を選べるプリフィクスコースになっています(このプリフィクスなのが、各々の好みや気分で選べるのが良いですよね)
しかも敢えて選択させる事で、人気のメニューがわかり改善に繋げられるなと思いました(この辺も今までの旅館にない取り組みですよね)
またワインペアリングも可能でワインのみならず、料理に合った日本酒や焼酎を提供いただけます。
しかも、何故その料理に、そのお酒が合っているかを説明した紙もいただけるので、なるほど~と頷きながら楽しめます。
先付からお造りまで
先付からお造りまでは、温かいメニューと冷たいメニューが交互に出てきます。
プリフィクスのメイン料理
プリフィクスのメイン料理はどれも美味しそうで、ホントに迷いました…
ただどれも食べたい2人は、いつもように別々のメニューを頼みシェアするスタイルです 笑。
なので4/6は食べれました 笑
まずは魚料理で左から「稲取金目鯛照り焼き」と「黒ムツ雲丹焼き」です。
そして肉料理は、「和牛ロース牡蠣みぞれ仕立て」と「和牛ヒレ網焼き」です。
メイン料理は、和食よりも洋食や中華のエッセンスが強く一口目は驚きも同時に楽しめます。
メインの後のお食事では「鯛めし」の炊き込みご飯をいただけます。
食べきらなかった分は、おにぎりとして夜食にいただけました。
夜鳴き蕎麦じゃないですけど、夜食のサービスって良いですよね 笑
デザートは、外のテラスで
食後のデザートは、せっかくなのでと外のテラスを案内されます。
ライトアップされたお庭が素敵です。
2月末でしたが、ストーブがついており、毛布も借りれたので寒さは大丈夫でした。
そしてデザートと一緒に誕生日プレートをいただけました…!
毎年こうやって素敵な宿でお祝いしていただけるのは、本当に嬉しいですし感謝ですね。
夕食はどれも美味しくて大満足です…1
またスタッフの接客も素晴らしく、心地良い時間を過ごさせていただきました。
9:00 PM
2つ目の貸切風呂「光風」へ
夕食の後は、お部屋の露天風呂に入りゆっくり過ごします。
でも、せっかく来たのなら全てのお風呂を満喫したいですよね…?
満喫したい派の2人は、2つ目の貸切風呂「光風」に向かいます。
こちらは、石風呂になっており浴槽、壁、床と黒で統一された落ち着いたお風呂です。
湯船に浸かると見える箱庭が素敵です。
10:00 PM
BAR ToteSYANでお風呂上がりに乾杯
お風呂上がりには、蔵をイメージしたバー「ToteSYAN」に行きます。
間接照明で大人な雰囲気です。
奥には、囲炉裏の席もあります。
バーで一杯いただいた後は、お部屋に戻り1日目は終了です。

– DAY 2 –
7:00 AM
貸切風呂「薫風」に朝風呂へ
朝目覚めたら、まずは眠気覚ましにそのままお部屋の露天風呂へ。
そして身体を温めたら、3つある貸切風呂の最後の1つ「薫風」に入りにいきます。
こちらは、信楽焼でできた陶器の浴槽で、周りを囲んだ桧の香りが漂い爽やかなお風呂です。
朝の光も入りこみ、朝風呂にピッタリでした。
8:00 AM
優しい味付けの朝食
朝風呂で身体も温まった2人は、朝食に向かいます。
朝食会場は、夕食を食べたダイニング「旬彩 六感」です。
窓から光が入るので爽やか雰囲気です。
朝食は和食の膳スタイルで、特に1つ1つの料理に彩りがあり綺麗です。
伊豆の野菜や鯵の干物など地元の食材を使っており優しい味で、量も多くないです。
ただ釜炊きのお米が美味しいという罠があり、結局お腹いっぱいになってしまうんですよね…
いちごのデザートもついています。
9:30 AM
河津桜を見に散歩へ
チェックアウトまで少し時間があったので、河津桜を見に河津川まで散歩しに行きます。
場所によっては、まだまだ満開です。
平日の朝だったこともあり、人もおらずゆっくり河津桜を堪能できました。
11:00 AM
大満足でチェックアウト
河津桜を堪能した後は、旅館に戻りチェックアウトします。
チェックアウト後は、行きと同じくお庭を通って門の外に出ます。
行きはワクワクして暖簾をくぐったのですが、帰りは満たされた気持ちで暖簾をくぐりました。
古き良さと新しさが融合した温泉旅館「玉峰館」で素敵な滞在を
暖簾をくぐり、日常から非日常に入れる体験。
老舗温泉旅館と融合したモダンなインテリア。
障子を開けると現れる源泉かけ流しの客室露天風呂。
それぞれに特徴がある貸切風呂。
インテリアと同じく和と洋が融合した夕食。
変わらない良さと彩りの朝食。
そしてどれもが宿泊者に寄り添って考えられた設備やサービスになっているのが素敵です。
ぜひ訪れて新しい温泉旅館を体験してみてください…!

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